僕は、正社員から個人事業主になり、その後もう一度正社員へ戻った経験があります。今は再び個人事業主として働いています。この経歴から「独立が正解」「会社員が正解」とは思っていません。働き方を変える前に、その時の自分が何を優先するのかを確認する方が大事だと考えています。
正社員へ戻ることは「逆戻り」ではなかった
一度個人事業主になると、会社員へ戻ることを後退のように感じる人もいるかもしれません。でも雇用形態は順位ではありません。収入の安定、仕事の規模、チーム、専門性、生活とのバランスなど、その時に必要なものは変わります。
戻る前に僕なら見る5つ
| 見ること | 理由 |
|---|---|
| 収入の安定性 | 毎月の固定収入と変動収入を比較する |
| 裁量 | 勤務時間・場所・仕事の選び方がどう変わるか |
| 専門性 | 会社でしか積みにくい経験があるか |
| チーム | 一人で進める働き方と組織で進める働き方の違い |
| 将来の選択肢 | 正社員に戻った後、再独立も含めて何が増えるか |
個人事業の期間をなかったことにしない
正社員へ戻るとき、個人事業の期間は隠すものではありません。何をしていたか、どんな役割を担ったか、次の会社で何が使えるかを整理します。僕自身も働き方を行き来してきたからこそ、経歴を一直線に見せることより、次の選択に意味を持たせる方が大事だと思っています。
独立と会社員は得るものが違う
| 個人事業主で得やすいもの | 正社員で得やすいもの |
|---|---|
| 裁量、意思決定、仕事全体を見る経験 | 組織的な分業、大きな案件、安定した給与 |
| 顧客獲得から納品までの広い経験 | 専門領域に集中する機会 |
| 働く場所・時間の柔軟性 | 福利厚生や制度、チームでの育成 |
これは僕の経歴からの判断であって、誰にでも同じ選択を勧める記事ではありません
独立・正社員のどちらが合うかは、収入、家族、仕事内容、健康、将来像で変わります。
戻る前に「会社員でしか得にくいもの」を書き出した
僕の場合に限らず、会社員へ戻る価値は固定給だけではありません。チーム、役割分担、大きな予算、社内データ、先輩からの学習など、一人の事業では得にくいものがあります。一方、裁量やスピードは下がる可能性があります。どちらを今優先するかで判断は変わります。
また独立する可能性があっても、今の正社員経験は無駄ではない
将来ずっと会社員でいると決めなくても、その期間に得た専門性・人との仕事・業界理解が次の選択に使える場合があります。僕自身も働き方を行き来しているため、「一回戻ったら独立は終わり」とは考えていません。
この経験談を、自分の判断に置き換えるには
ここからは、僕自身に新しい出来事があったという話ではなく、記事を読んだ人が自分の状況で考えるための一般的な確認手順です。独立や再就職を経験していても、収入、家族の事情、職種、取引先との契約は人によって異なります。「独立したら失敗」「会社員に戻ったら成功」という結論を先に決めず、何を変えるための選択なのかを具体化してください。
まず、紙に「今のまま続ける」「正社員に戻る」「個人事業を縮小しながら就職活動をする」の3つを書き、自分が取れる選択肢だけを残します。事業を続けながら求職する場合、現在の取引契約や納期を守れるかも考えます。退職や廃業を先に決める必要がない人は、求人内容と条件が分かってから比較する方法もあります。
比べるのは年収の数字だけではない
個人事業の「売上」と正社員の「額面給与」をそのまま比較すると、税金・社会保険・必要経費・有給休暇などの扱いが異なるため、暮らしに使えるお金や時間を見誤るおそれがあります。次の表を自分の実数で埋め、分からない欄は「未確認」としてください。
| 比較すること | 個人事業を続ける場合 | 正社員に戻る場合 |
|---|---|---|
| お金 | 売上から必要経費等を差し引いた収支、入金のばらつき | 提示された月給・賞与・手当と控除見込み |
| 働く時間 | 顧客対応・営業・経理も含めた実働時間 | 所定労働時間、残業見込み、通勤時間 |
| 保障・休み | 加入制度、休業時の収入、契約上の責任 | 社会保険の加入条件、有給休暇、休職制度等 |
| 裁量 | 顧客・仕事の選択と事業上の責任 | 配属、指示命令、兼業規定、決裁の範囲 |
| 将来 | 取引先の継続性、営業・技能の積み上げ | 担当業務、評価制度、習得できる技能 |
比較例として「売上が毎月50万円なら月給35万円より良い」といった判断はしません。事業によって経費・入金・保険料が異なり、求人の月給も残業代や賞与の扱いが違うからです。収入に関する不明点は税務・社会保険の公的窓口や専門家に確認することも考えられます。
仕事を選ぶときの「譲れない条件」を3つに絞る
今の働き方で変えたいことを、単に「安定」や「自由」と書いて終わらせず、行動・条件で表します。たとえば「入金が月によって変わるのが負担」なら、求人の給与体系と試用期間中の条件を確認します。「一人で全業務を背負うことがつらい」なら、入社後のチーム体制や担当範囲を確認します。「学べる環境が欲しい」なら、研修の有無だけでなく、実際に担当する仕事と指導体制を質問します。
譲れない条件を3つ選び、そのうち求人票で分かるもの・面接で聞くもの・入社前に労働条件通知書等で確かめるものを分けてください。「正社員」の表示だけで希望する働き方が実現するとは限りません。募集時の労働条件には、業務・就業場所の変更の範囲などを確認する項目があります。厚生労働省:募集時の明示事項
再就職を考える前に、個人事業の実績を記録する
「個人事業主だった期間を履歴書にどう書くか」と「その期間に何を身につけたか」は別の作業です。受託した仕事内容、本人が担った工程、使用したツール、顧客との調整内容、守秘義務に触れない範囲で確認可能な結果をメモします。仕事として行っていない業務や、客観的に確認できない売上・改善率を実績として加える必要はありません。
| 記録する項目 | 書き出す例【架空の記入見本】 | 確認点 |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 「小規模事業者向けにWebサイト更新を受託」 | 実際に行った仕事のみ |
| 自分の担当 | 「要望整理、文章修正、公開前の確認」 | 他人の担当分を混ぜない |
| 応募先との接点 | 「社内Web担当の更新・関係者調整と接点」 | 応募先の求人票にその仕事があるか |
表は架空の説明用例で、僕自身の受託歴や成果ではありません。正社員に戻る志望動機の例文は個人事業主から正社員へ戻る志望動機、時系列での職歴の整理は個人事業主の職務経歴書に分けています。この記事では履歴書の全文例を繰り返しません。
「また独立するかもしれない」と迷う場合の確認事項
将来の独立の可能性があることと、今の応募先で任される仕事に継続して取り組む意思は、分けて考えられます。ただし、実際には短期で辞める前提なのに長期勤務を約束するような説明や、兼業禁止の規定を知りながら隠して事業を続けることは避けます。兼業を希望する場合は就業規則、競業や秘密保持に関する契約、取引先への契約上の義務を入社前に確認してください。
判断の最後に「今のまま3か月続けた場合」「求人条件を確かめて転職した場合」で、何が改善し何が失われるかを文章で比較すると、感情だけで結論を急がずに済みます。答えは一つではありません。このページの体験談は選択肢を考える材料であり、同じ選択をすれば同じ結果になるという意味ではありません。
まとめ|戻ることも、また出ることもキャリアの一部
正社員→個人事業主→正社員という移動は、僕にとってキャリアが一度で決まらないことを実感した経験の一つです。一般的な転職方法は個人事業主から正社員へ戻る方法、書類は個人事業主の職務経歴書で分けて整理しています。


